患者宅へ出張レントゲン

寝たきりでも大丈夫

794bd065b8fefb5933bdff86055308ef_s兵庫県立柏原病院では、寝たきりの患者宅へ医療スタッフが出張し、レントゲン検査を行っています。
県立病院の中で行われた初めての試みで、利用をする開業医からは高い評価を得ています。

高齢化が進み、在宅患者はかなり増えました。
医療機関と距離がある地域もあり、事情に合わせた連携だと定評を得ています。

同病院では、災害医療などで力を発揮している、携帯型のレントゲン撮影装置を購入しています。
病院での診療や検査で活躍していますし、在宅医療でも利用できないかと提案したわけです。

撮影の手順については市内の開業医からの要請を受けて技術士が往診に同行します。
装置を組み立てて患者がベッドや椅子にいる状態で検査をすることができます。
画像についてはパソコンで確認して、医師の診断にも生かすことができます。

昨年から20人以上もの往診で利用され、肺炎が起こっていないか、膠原病の状態などを調べることができるようになりました。
往診で依頼した同市の開業医は、「これまで画像検査で調べたいことがあっても、寝たきりの患者では不可能なケースがあったが、在宅医療では非常に便利だ」と話しています。
市内の男性で、自宅介護をしている家族は「通院の場合は待ち時間を考えるだけでも不安ですが、自宅で診察してもらえるなら楽な姿勢でできるから良い」と歓迎しています。

患者は、検査費用で公的な医療保険の利用をすることができますが、病院にとっては撮影料や交通費などのかかった費用を開業医から受け取ることができます。
ですが、人件費などを加えると、採算を合わせるのは困難だといいます。
費用が一番の課題かもしれませんが、地域医療サービス向上にはとても良い取り組みなのではないでしょうか。

超高齢化社会では更に需要が増えるのではないか

将来、3人に1人が65才以上になるという超高齢化社会が訪れます。
そこで、看護師や介護士など高齢者の方の介助に携わる人間が増えるわけですし、今の現状で人材が足りていない状態なのにどうすれば良いのか。
課題は山積みです。

そんな中、兵庫で行われている出張レントゲン撮影サービスは、かなり便利な医療サービスなのではないでしょうか。
超高齢化社会になれば更に需要が増えることが目に見えてわかります。
そこで、人件費や人員についての問題を改善するためにも、医療に携わる人間を増やさなければいけません。

医療はどんどん進む中、唯一変わらないのは人間の考え方です。
もっと幅広い視野を持ち、こういった医療サービスを十分に活用できる機会を逃さないような人材になりたいですね。