転院患者情報 病院間で共有

切れ目のないケア

入退院や検査などで患者さんは転院されることもあります。
そこで、患者さんへ切れ目なく治療を行うのは難しいものです。

阪神・三田地域の8つの市町では、病院や診療所が患者さんの情報を共有するシステムの運用を本格的にはじめました。
患者の同意を得て診療内容を共有し、入退院や転院の際に切れ目なくケアが行えるようにする取り組みです。

病状に合った医療機関の紹介、二重投薬、重複検査などの解消につながるとしています。
さらに、将来的には介護現場との連携も模索しているとのことです。

兵庫県によると、北播磨地域や淡路島では同様のネットワーク化が進んでいます。
阪神・三田地域では産科医療機関数で、最大規模となる取り組みです。

どんなシステムなのか

このシステムは、「h-Anshinむこねっと」と名付けられ、阪神医療福祉情報ネットワークとして各地の病院や医師会をはじめとして自治体関係者などででつくられている協議会が運営しています。
高度先進医療をになう基幹病院7か所、そして中核の病院6か所は診察や検査などの情報を共有しています。
患者が同意すると初期治療を行う診療所などが、転院前の病院が持っている情報のみネットを通じて閲覧することができる仕組みです。

たとえば、かかりつけ医が「過去の受診」を確認したり、各病院を紹介した後も治療経過などを把握することができます。
患者からすると、かかりつけ医が過去の受診履歴を知ってくれているので安心だ、という声も挙がっています。

退院される際には病院が、患者さんの地域の診療所を逆に参照することもできます。
検査や投薬情報などの記録を閲覧することができるので、最大限切れ目のない治療が可能になります。

昨年では患者さん1200人以上が活用したそうです。
病院・診療所の診療科目や機能情報なども共有することができて、約1500ある医療機関のうち4割が登録しています。

患者のマッチングにも救急病院の満床状態解消にも役立ちます。
また、病院で治療を受けた高齢者が回復をして自宅で暮らすための、医療と福祉が一体的となって行われるサービスへと共有する仕組みも検討しているそうです。

問題や課題はないのか

患者の情報を共有ということで、気になる点が1つありますよね。
それは、セキュリティ面です。

もし情報が洩れてしまったら?
患者さんの情報は、他には渡してはいけない重要な情報です。
悪用されることだって考えなければいけません。

そうなると、今後はセキュリティー対策を万全にして、更には産科病院を増やしサービスの浸透を図ることが課題でしょうか。
セキュリティ対策面が現在どうなっているのかが、気になるところです。