国内初バイオ医薬品開発拠点、神戸に

独自技術を持つ

神戸・ポートアイランド2期にバイオ医療品の製造と技術開発の機能をかねそなえた施設が誕生しました。
施設の名前は「次世代バイオ衣料品製造技術研究組合GMP施設」です。

国内企業や大学、団体などの30もの機関でつくられている組合と、神戸市が設立しました。
6月26日、完成披露が行われ、バイオ関連技術の研究室が集まる「神戸大学総合研究拠点アネックス棟」に設置されました。

日本では各分野ですぐれた独自技術を持つ企業があります。
バイオ医療品とは、生物を使って作られる、免疫疾患やがんなどに幅広く効果が認められているものです。

独自技術はあっても、一貫して生産する力が弱いという特徴もあります。
日本は欧米からの輸入に頼っていることが現状で、この施設では企業の技術を集結して「国産」のバイオ医療品の生産を支える技術開発に取り組む方針です。

そのために、製造に必要な細胞設計や培養、抗体の生成。
そして製造における品質管理や評価などを行う機能をそなえた施設として開設されました。

個々の技術水準を高めて開発スピードを上げるとともに、人材育成にも力を入れる方針です。
プロジェクトリーダーは、「世界の一歩先をいくバイオ医療品の技術開発へとつなげていきたい」と述べています。

様々な分野で活躍するバイオ

バイオ医療は、様々な分野で活躍しています。
日本では味噌や醤油などが伝統的にバイオを活用して作られていますよね。
遺伝子組み換え技術を利用して、除草剤の影響を受けない野菜や病気に強い食材などを作ることもできますし、バイオなしでは私たちの生活はなりたたないほどにまでなっています。

バイオを応用した医療品は1980年代から実用化されてきました。
たとえば、赤血球の生成をうながす作用を持っている「エリスロポエチン」は、ハムスターの細胞を使った方法で発見されました。

バイオ医療品の中には、糖尿病治療に活用されるもの。
また、低身長症の治療薬として使われる成長ホルモンなどもあります。
バイオを追求する研究者の募集は各研究機関で多く出されており、バイオ関連の求人や転職の案件を紹介するサイトも増えてきています。
今後もバイオの研究は盛んに行われ医療技術は発展を続けていくでしょう。