尼崎に周産期ケア研究センター

医師不足が懸念される産婦人科

産婦人科では医師不足が続いています。
最近では助産師のみが在籍する助産院も増えましたが、助産師の不足は現在の医療現場において深刻な問題です。

助産師を目指している方や、産婦人科医を目指している方はたくさんいます。
ですが、実際に産婦人科医師、助産師として働いている方はほんのわずかです。

不足している原因としては、助産師になるための学校が少なく、産婦人科医師専門の学校も少ないということ。
助産師の国家試験の合格率90%以上です。
試験を受けるまでに勉強する専門機関がきわめて少ない現状が、医師不足を生み出しています。

看護師の資格を持っていると、助産師養成学校で1年間勉強すると国家試験を受けることができます。
学校が不足しているだけではなく、産婦人科や助産院では非常に労働が過酷だという点も不足の原因です。

大都市では産科医や助産師も増加していますが、地域差があり危機的な県も存在します。
産科医を増やすために、学生の勧誘や育成、休職医師への復帰支援など様々な取り組みが行われています。

尼崎の県立大周産期ケア研究施設

兵庫県立大が設立した県立尼崎総合医療センター内には、妊婦の助産や看護などを科学的に分析する施設を開設しました。
「周産期ケア研究センター」といい、院内の助産所と連携して、助産師を育成するシステムを確立しています。
こういった施設の設置は県内で初めてです。

周産期ケア研究センターは、所長と二人の非常勤研究員、客員研究員の合計4人が所属する予定です。
助産師主導で検診や出産を行う、病院内のメディカルバースセンターに併設されます。

参加の現場の学術施設としては、臨床データを豊富に集めることができます。
これまで、助産師の経験ならではのケア方法を整えることができます。

慢性しっかん 健康問題がある助産婦などのケアや不妊治療のサポートなども研究対象とされています。
産婦人科においての医師の不足が指摘される中で研究成果をいかして助産師育成のための教育カリキュラムを提供していくとされています。
小さい子供さんがいる母への援助支援プログラムなども提供される予定なので、慢性的な産科医・助産師不足の解消が見込めるかもしれません。